令和6年も早や半年が過ぎました。7月に入り、いよいよ夏へと向かう季節です。
7月の季節と言えばまず思い浮かぶのは七夕です。願い事を短冊に書き笹の葉に結び付けるという日本古来の風習です。
七夕の日、彦星と織姫が一年に一度、会う事が出来るというその逸話も私が子供の頃から書籍等で読み知識として知っていた『おとぎ話』です。
ですが一年に一度だけのデートというには、これまで七夕の日の夜に晴天になった事は極々稀だったように思います。6月末から7月にかけて日本は全国的に梅雨入りします。雨天から空の様子もよくは見えない事が多かったように思います。
古(いにしえ)のふたりの恋人達は限りなく遠くに遠い壁に阻まれた悲しき性を持つ悲恋の想い人。その一年に一度の邂逅も雨が降ればまた翌年に順延される事になります。ああ、悲しきかな宇宙をまたにかける超々々々、超遠距離恋愛。ですがそれは勿論おとぎ話であり、リアルの事では無いあくまでフィクションなのですが。そんな7月7日、七夕の日。
昔から子供向けの絵本等もあり広く世間で知られている逸話です。ですが笹の葉に短冊を結び付ける行事だけは、子供のみならず老若男女、日本各地で行われている風習です。すすきの木やお団子などもその日ならではの物として世間では親しまれています。
そんなロマンチックなお話だけではなく七夕には別の側面があります。
夏の大三角形。織姫、彦星はもともと星座からその由来が来ているお話です。鷲座α星、アルタイル。こと座α星、ベガ。それぞれ、彦星、織姫の別名です。一年に一度の出会いのお話が、天空の星座のお話と重なる事も、またロマンチックな側面があるように思います。そしてもう一つの星、白鳥座、α星、デネブ。それら3つの星を結ぶと夏の夜空に大きな三角形が描かれます。日本では夏にしか見えない3つの恒星から成るトライアングル。七夕の恋のお話と共に天体好きの方にも関心のある真夏の風物詩です。七夕も天体も雨の日には見えない物です。願わくば今年の7月7日が晴天でありますように。短冊にはまずはその事を書いて笹の葉に結ぼうと思います。願い事はその想いが叶っても叶わなくても、いつも誰かの心の糧になる物のように思います。