日本の楽曲の一つに世界的にも有名な曲があります。その楽曲は、ある世代から上の年代の方ならご存知の方も多いと思います。
日本で唯一、米ビルボードチャート1位に輝いた楽曲、『スキヤキ』。日本名は『上を向いて歩こう』という曲名です。歌っているのは坂本九さんという歌手でした。
曲を聞けば知っている方も世代に関係なくいらっしゃる事と思います。1963年6月15日、その曲で日本人初のビルボードチャート1位獲得。
それ以来、日本の楽曲でビルボード上位圏内に入った方はいません。日本でどれほどまでにヒットしたとしても、あくまでそれは日本国内での邦楽のヒットで終わりました。
話は変わります。最近、流行っている日本のアニメの中で『推しの子』という作品があります。アニメには興味の無い方でも、YouTubeなどでその名前を聞いた事がある方もいるかもしれません。
その作品の内容には触れませんが、大きく分けて学園ものであり、またSF作品でもあり、アイドル、役者といった芸能界を舞台にした漫画が原作のアニメです。
ヒットしました。最近のアニメでは類を見ないほどにヒットした作品です。これまでには無かった設定、脚本、演出、人を惹き付けるストーリーの流れ。SNS等でも話題になり、年齢性別、問わずに見られた方も多い作品です。
原作の漫画作品はまだ連載中ですし、勿論アニメも完結してません。ラストはどういった形で終わるのかはまだ分かりません。ですから余計にこれからの展開が気にかかる作品です。
その主題歌を有名、無名問わず、様々な人達がカバー曲として歌い、曲をバックにダンスを披露し、またピアノなどの楽器で演奏しYouTubeにアップしています。いわゆるYouTuberという職種の方に限らず、ごく普通の方がごく普通にアップしてます。
それを聴く方が多いと話題性が増し、また数字が動く。観た方もSNSを介してそれを拡散する。いわゆる『バズる』というヤツです。動画をアップする方は如何にして視聴者数を増やすか、チャンネル登録して貰うかを念頭に置きつつ動画の構成を考えておられるようです。
安易にただ歌が上手ければ視聴者数が伸びるという物でも無いようです。企画、演出、構成をよくよく考慮し、果ては配信する曜日、時間なども密に計算し世に出す事で結果に繋がる数字もまるで違うとの事です。他のビジネスと同じように、やはり最終的に表示された数字は、とても分かりやすい全体評価の目安だと思います。
その楽曲の名はYOASOBIという2人組のユニットの『アイドル』という曲です。昔風にいうならキャッチーで聞き心地のいい曲という言い方なのでしょうか。一度、聴いたら再度、また聴いてしまいたくなる。そんな特殊な要素を持った曲です。
だからこそ多くの人が自分もこの曲をカバーしたい、歌いたい、演奏したい、またその曲に合わせて踊りたい。そう思わせるその派生に繋がる、とても大きな『因子』だと思います。
人を惹き付ける物には何かしら目には見えない力があります。それは理屈とは関係なく、その曲に内在してる物であり、その楽曲を作り演奏し、そして歌ってる方はそれは、いわゆる『天才』。そんな安易で凡庸な言葉でしか表現できない才覚だと思います。
そんな稀有な才覚とは、努力とはまた別の次元の、生まれながらにして授かった天賦の才覚とも思います。YOASOBIの楽曲『アイドル』。Billboard The Global Excl U.S.世界チャート1位。それに輝いた日本で唯一の楽曲です。
日本が世界に誇れる物は、何も車や精密機器だけではなく、映画や楽曲、書籍といった文化的な物も日本から発信してます。その稀有な才能を世界が認め、今ではそれを多くの人が求めています。
日本から生み出されたその楽曲が世界中の多くの人々の心を動かし人を引き寄せるその一つなのだとしたら。人の想像からそれを具現化させる、また創造するエネルギーは無限であり底が見えない人間の可能性とも思います。それが世界の中の誰かに笑顔を齎すものなら、それはそれこそ感嘆に値する、拍手すべき物ではないか。その曲に惹きつけられたファンの一人としてそう思います。