2025年、4月。日本国際博覧会、通称、万博が始まります。開催まで様々な問題がありましたが、この春から約半年、関西万博が行われます。会場は此花区の夢洲という場所です。
1970年に開催された関西万博から実に55年になります。
世界的にも混乱した昨今。ロシア、ウクライナ間、また、中東情勢の戦火の炎も未だ消えないままです。そんな戦乱とは別に国家間の亀裂も、同じく現在進行形で熾烈を極めた物となっています。
個人のそれと同じく、大国同士が我こそが世界の先導者として牽引するファーストな存在。そんな言葉と共に多国間で経済的にプレッシャーをかけては牽制し合っている。そんなニュースも日々、よく聞かれます。
地球温暖化から気候変動が大きく動き危険な情勢下です。その事象に置いても各国によって、そのとらえ方もまた異なります。ですが自然の驚異に対して対抗するには、国家間の連携が何より必須の事のように思います。
現状はそれに反する体制を取っているかのように思われます。地球がマイナスの方向へと行く事を是正するには、その地球に住む民が結託してこそ解決への糸口が見つけられるのではないか。そんな想いもあります。
先の未来に住む多くの人々が果たして、この先どうなってゆくかは未明のそれです。それが決して明るい物になっていくようには、一個人の身から見ても思う事は困難です。それ程に現状、現在の世界には不安要素が大きく蔓延されているように思います。
そんな渦中、スポーツを主軸とした五輪が行われ、そして万博のような大きなイベントも行われています。マイナスへのベクトルもあればプラスのそれもある世の中です。願わくば戦火のそれではなく、未来が光、輝く世界になっていく事を願うのは何も一人の微小な存在の考えだけでは決してないと思いたいです。
1970年の万博の映像を見る機会も最近は多くあります。日本に置いては高度経済成長期の渦中、人々が前向きに未来へ向けて大きく動いていたそんな時代だったのかもしれません。
当時の万博に置いて、まず想起する物が私には2つあります。一つは会場に建てられた万博の象徴的な大きなモチーフでもあった太陽の塔です。芸術家の岡本太郎氏がデザインされたそれは今も万博記念公園にそれは聳え立っています。そしてもう一つは、当時アメリカ館にて展示されていた月の石です。
万博が行われた1970年より以前、アメリカが立ち上げたアポロ計画。科学の発展と共に世界的にも人々の目線は宇宙へと向いていました。1969年にアポロ11号が宇宙へと飛び立ち、その年、人類初の月面着陸に成功しました。その時に持ち帰った月面の一欠片、月の石。それが当時の万博に置いて、アメリカ館にて展示され大きな話題となったのは様々なメディアを通して聞いていました。地球の大きさも計り知れない物だと思います。ですが地球の外にある宇宙はそれより更に広大な未知の存在です。この先もアメリカのみならず世界の各国で宇宙への進出は計画され、50年以上過ぎた今では、特別な訓練を特にしていない方でも宇宙へと行けるといったニュースも聞きます。時代は、そして科学の進化は明確に躍動し結果を出しています。
今回の万博でも当時の月の石の展示がされるというニュースも聞きました。私の中ではその事が万博に置いて、一番、好奇心を掻き立てられるとても大きなトピックです。
戦乱、自然災害。そういった不安に駆られる物に触れるよりも、宇宙の一旦を目にする機会がある事。それを想起する事が何より生産性に満ちた、そして夢多きな事のように思います。過去、現在、そして未来。その時代、時代に置いて変革してゆく昨今。未知の存在との遭遇は、少なくとも破壊のそれよりも遥かに有益な、また心、豊かになる事柄です。その象徴が1970年から2025年へと受け継いだ月の石のように私にはそう思われます。
願わくば今回の万博が成功のうちに終わる事を願う者です。世界には破壊、亀裂だけではないプラスへと繋ぐそんな結びつきもある。或いはそれを信じたいその想いから、成功を願う者です。